人間は抱くようにできている
赤ちゃんを抱くことは“生物学的に自然”な行為だった

「ずっと抱っこしてると甘えグセがつく」って本当?
多くのママが一度は聞いたことがある言葉。
でも、実はこの考え――生物学的には間違っているかもしれません。
人間は、進化の過程で「赤ちゃんを抱く」ことに適応してきた種。
つまり、抱っこは“甘やかし”ではなく“自然な本能”なんです。
🌍 この惑星の「赤ちゃんの育て方」は3タイプに分かれる
進化生物学では、動物の子育てスタイルは主に次の3種類に分けられます
①巣の住人(キャッシュド)タイプ
巣の中で育つ。母親は餌を運んで世話をする(例:ウサギ、ネコ)。
②親のフォロワータイプ
生まれてすぐ歩けて、母親の後をついて行く(例:ウマ、シカ)。
③キャリーヤング(抱っこ型)タイプ
生まれてすぐに、母親の体にしがみつく(例:サル、コアラ)。
🧬 人間は「抱っこ型(キャリーヤング)」の仲間
「え、人間ってサルじゃないし、しがみつくなんて…?」
と思うかもしれませんが、科学者たちはこう考えています👇
「人間の赤ちゃんも“キャリーヤング”に分類される可能性が高い」
なぜなら――
人間の赤ちゃんは、抱き上げられると自然にママの体に沿って
脚をM字に開き、体を密着させる動きをするから。
これは偶然ではなく、母親にしがみつくために進化した本能的な反応なんです。
👩🔬 科学者Evelin Kirkilionisの研究
ドイツの発達学者 **Evelin Kirkilionis(エヴェリン・キルキリオニス)**氏は、
乳児の脚や体の動きを詳しく観察しました。
その中で、彼女はこう発見しています👇
赤ちゃんは母親の体にしがみつくように自然に脚を開き、
股関節の発達を妨げることなく、密着する姿勢を取る。
彼女は、赤ちゃんの足に塗ったクリームの跡が
母親の服の暗い部分に残る様子を観察し、
赤ちゃんが「接触面を最大化する」ように動いていることを突き止めました。
つまり、赤ちゃんは“抱っこされる設計”をもって生まれているのです。
🧡 抱っこは「生き延びるためのデザイン」
この「しがみつき行動」は、赤ちゃんが安全を感じ、生き延びるための自然な反応。
だからこそ、
- 抱っこされると泣き止む
- 密着すると眠る
- 離すと泣く
のは、わがままでもクセでもなく、人間として当たり前の反応なんです。
🪶 スリングは“人類が進化で手に入れた知恵”の現代版

スリングや抱っこ紐は、言わば『現代のしがみつきツール』
赤ちゃんが本能的に求める密着を叶え、
ママの体にも優しい姿勢をサポートしてくれます。
科学的にも、スリングを使った育児は👇
✔️ 赤ちゃんの情緒安定
✔️ 母乳育児の継続率アップ
✔️ ママのストレス軽減
といった研究結果が報告されています(Pisacane et al., 1992)。
まとめ『抱く』は“愛情”だけではなく“生物学”
赤ちゃんを抱くこと。
それは、人間が何十万年もの時間をかけて身につけた、生命のデザイン。
だから安心していい。
「抱っこばかりしてる」ことは、
「ちゃんと人間らしい子育てをしている」ということなんです。