科学で解説。子どもの「嘘」は悪いことじゃない。
嘘をつくのは発達の証拠です。
👀「嘘をついた!?」と焦るママへ
「手洗ったの?」
「うん、洗った!」
…でも、10秒で戻ってきた。
その手は、どう見ても乾いたまま。
そんな瞬間、ママやパパなら誰でも
“モヤっ”とした気持ちになるはず。
「嘘をついた!」
「育て方、間違ってたのかな…?」
そう思ってしまうのも自然です。
でも実はそれ——
脳の発達が順調に進んでいる証拠なんです。
子どもが「嘘をつける」ようになるのは、脳が育っているサイン
心理学・発達神経科学の研究では、
子どもが嘘をつくには高い認知能力が必要とされています。
たとえば、カナダの心理学者 Kang Lee(トロント大学) の研究では、
「嘘をつく」ためには次の3つのスキルが必要だとされています👇
- 実際とは違うことを想像する力(想像力)
- 相手の考えを理解する力(心の理論)
- 自分の衝動を抑える力(自己制御)
つまり、子どもが嘘をつけるようになったということは、
抽象的に考えたり、結果を予測したり、
“他人の視点”を想像できるようになってきた証拠なのです。
嘘をつく=人を騙したい、ではない
多くのママが「嘘=悪いこと」と感じるのは自然です。
でも、子どもが最初に嘘をつくときの動機はもっと単純。
・怒られたくない
・気まずさを避けたい
・やりたいことを続けたい
・ママを悲しませたくない
…つまり「今の自分の欲求」を守るため。
子どもの嘘は“悪意”ではなく、
自分の世界を少しずつコントロールしようとする試みなんです。
嘘をきっかけに「心の成長」をサポートする方法
ここで大事なのは、
嘘を責めることではなく「その先」を見てあげること。
「この子は今、何を守りたかったのかな?」
「どんな気持ちでそう言ったのかな?」
そう問いかけることで、
子どもは“正直でいることの安心感”を学びます。
具体的には:
- 嘘を責めるより「本当のことを言ってくれてありがとう」と伝える
- 「嘘をついても大丈夫。次から一緒に考えよう」と受け止める
- 嘘の裏にある“気持ち”を代弁してあげる(例:「怒られると思ったんだね」)
こうしたやりとりの中で、
子どもは「安心して本音を話せる関係」を学びます。
まとめ:子どもの嘘は「心が育っているサイン」
| 嘘をつく行動 | 発達的な意味 |
|---|---|
| 現実と違うことを言う | 想像力・抽象的思考の発達 |
| ごまかす・隠す | 結果の予測・自己制御 |
| 相手の反応をうかがう | 他者視点の理解(心の理論) |
つまり、嘘は“悪い芽”ではなく、
人としての心の芽なんです
🤍 ピキママの視点から
嘘をつくようになったということは、
「赤ちゃん」から「一人の人間」へと成長している証。
その小さな心を、抱っこの中で安心させながら、
本音を話せる関係を育てていきましょう。
愛着抱っこ育児™で、
今日も思う存分、抱きしめていこう🫶
🔖 参考文献
Lee, K. (2013). Lying as a developmental milestone. Current Directions in Psychological Science.
Talwar, V., & Crossman, A. (2011). From little white lies to filthy liars: The evolution of honesty and deception in young children. Advances in Child Development and Behavior.
Gopnik, A. (2009). The Philosophical Baby.