怒鳴っちゃった日があっても、育児は失敗じゃありません|大切なのは「そのあと」です
「また怒鳴っちゃった……」
子どもが寝たあと、静かになった部屋で、
今日の自分の言葉を思い出して落ち込む。
「なんであんな言い方しちゃったんだろう」
「もっと優しく言えばよかった」
「子どもを傷つけちゃったかな」
「私って、ダメな親なのかな」
そんなふうに、自分を責めてしまったことはありませんか?
でも今日は、最初にひとつ伝えたいことがあります。
怒鳴ってしまった日があったからといって、
それだけで育児が失敗になるわけではありません。
もちろん、怒鳴ることをおすすめしたいわけではありません。
できるなら怒鳴らない方がいい。
怖がらせたり、傷つけたりするような言葉は減らしていきたい。
でも、
親も人間です。
余裕がなくなることも、感情があふれてしまうこともあります。
感情があふれてしまったその時にこそ知っておきたいのが、親子の「修復」というプロセスです。
親子関係の修復について知っておきたいこと
この記事では、
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なぜ親だって感情的になってしまうのか
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怒鳴ったあと、自分を責め続けなくていい理由
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愛着研究にもつながる「rupture & repair」とは?
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「ごめんね」は子どもに何を教えるのか
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なぜ関係性がいいと、親の言葉が届きやすくなるのか
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怒ってしまったあと、どうやってつながり直せばいい?
-
子どもに本当に必要なのは「完璧な親」なのか
についてお話しします。
キーワードは、
「終わりよければすべてよし」
です。
親だって、人間です
まず大前提として。
親だって、人間です。
寝不足の日もある。
仕事で疲れている日もある。
心配ごとが重なっている日もある。
朝から何もかもうまくいかない日だってある。
そんな日に限って、
「早く着替えて!」
と言っても着替えない。
兄弟げんかが始まる。
牛乳をこぼす。
出発時間は迫っている。
何度言っても動いてくれない。
そして、
「いい加減にして!!」
と声が出てしまう。
その瞬間だけを切り取れば、
「もっと穏やかに対応すればよかった」
と思えるかもしれません。
でもその瞬間の親には、
その瞬間まで積み重なっていた疲労やストレスがあります。
だから、
「怒ってしまった=愛情が足りない」
ではありません。
ましてや、
「一度怒鳴った=悪い親」
でもありません。
人間同士が毎日一緒に暮らしていれば、感情がぶつかることがあります。
親子だからといって、それがゼロになるわけではありません。
本当に苦しいのは「怒ったあと」だったりする
アンド多くの親を苦しめるのは、
怒鳴ってしまった瞬間だけではありません。
そのあとです。
「またやっちゃった」
「この前も怒った」
「この子の自己肯定感を傷つけてるかもしれない」
「愛着に悪影響があるかもしれない」
「私は母親に向いてない」
そうやって、何時間も、時には何日も自分を責め続けてしまう。
でも、
そこでずっと立ち止まる必要はありません。
なぜなら、親子関係は一回の出来事だけで決まるものではないからです。
大切なのは、
怒鳴らなかったかどうかだけではなく、
そのあとどうするか。
です。
愛着で大切な「rupture & repair」という考え方
親子関係や心理療法の文脈では、
rupture(ラプチャー)=関係のズレや断絶
そして、
repair(リペア)=関係の修復
という考え方があります。

親子はいつも100%気持ちが通じ合っているわけではありません。
親が子どもの気持ちを読み違えることもある。
子どもが求めているものに気づけないこともある。
イライラして冷たい言い方をしてしまうこともある。
子どもだって、
「ママ嫌い!」
と言うことがあります。
つまり親子関係では、
つながる → ずれる → またつながる
ということが、何度も繰り返されています。
重要なのは、
一度もズレない関係をつくることではありません。
ズレたあとに、
「戻ってこられる」
という経験を積み重ねていくことです。
怒鳴ってしまったら、どうしたらいい?
たとえば、子どもに強く言いすぎてしまった。
そんな時は、少し自分が落ち着いてからで大丈夫です。
子どものところへ戻って、
「さっきは大きな声を出してごめんね」
「ママ、すごくイライラしてた」
「でも、あなたが嫌いだから怒ったんじゃないよ」
「怖かったよね」
と伝える。
必要なら抱きしめる。
子どもの話を聞く。
そして、
「もう一回やり直そう」
と伝える。
これがrepair=修復です。
ここで大切なのは、
「でもあなたが言うこと聞かなかったからでしょ」
と、謝罪のあとに責任を子どもへ返さないこと。
行動について話し合うのは、そのあとでもできます。
まずは、
大人が自分の行動の責任を取ること。
「あなたが悪かったから怒鳴った」ではなく、
「あなたの行動について伝える必要はあった。でも、大きな声で怖がらせたことはごめんね」
と分けて考えることができます。
「ごめんね」は、親の弱さではありません
親が子どもに謝ると、
「親の威厳がなくならない?」
と思う人もいるかもしれません。
でも私は、むしろ逆だと思っています。
親が、
「さっきの言い方はよくなかった」
と認める姿は、
子どもにとって人間関係の大切なモデルになります。
人は間違えることがある。
感情的になることもある。
誰かを傷つけてしまうこともある。
でも、
間違えたら謝れる。
傷つけたら修復できる。
関係はやり直すことができる。
それを子どもは、親との関係の中で経験していきます。
だから「ごめんね」は、
親として負けた言葉ではありません。
人との関係をどう修復するのかを見せる言葉
でもあるのです。
子どもは「怒られたか」だけを見ているわけではない
子どもの中に残るのは、
「ママに怒られた」
という出来事だけではありません。
そのあと、
ママが戻ってきた。
話を聞いてくれた。
抱きしめてくれた。
「大好きだよ」と言ってくれた。
もう一度笑えた。
そんな経験も、一緒に積み重なっていきます。
だから、一回の衝突だけを切り取って、
「全部ダメにしてしまった」
と思わなくていい。
親子関係は、一枚の写真ではなく、
何年も続いていく長い物語だからです。
「何回言っても聞かない」は、本当に聞いていない?
そしてもうひとつ。
怒鳴ってしまう理由として、とても多いのが、
「何回言っても言うことを聞かない」
というものです。
「片づけて」
「宿題して」
「お風呂入って」
「もうゲーム終わりだよ」
何回言っても動かない。
すると、
「なんで分からないの!?」
となりますよね。
でも、少しだけ違う角度から見てみると、
本当に「聞いていない」のでしょうか。
もしかしたら、
聞こえているけど、やりたくない。
今していることをやめられない。
気持ちの切り替えが追いついていない。
疲れている。
甘えたい。
反発したい。
そんな状態なのかもしれません。
「言っていることを理解している」と
「今それを実行できる」は、別のことです。
ここを分けて考えるだけでも、子どもの見え方が少し変わってきます。
正論より先に、関係性
そして、人は不思議なもので、
信頼している相手の言葉は入りやすい。
でも、
「この人は自分のことを分かってくれない」
と思っている相手から正論を言われても、なかなか入ってきません。
これ、大人も同じですよね。
信頼している友達から、
「ちょっと休んだ方がいいよ」
と言われれば、
「そうだよね」
と思える。
でも、今までに腹が立っている相手から同じことを言われたら、
「分かってるよ!」
となる。
子どもだって同じです。
だから、
どう言えば子どもを動かせるか
だけを考えるより、
その前に、
今、この子と私はつながれているかな?
と考えてみる。
子育てでは、正しい言葉を探すこと以上に、
言葉が届く関係をつくること
が大切な時があります。
「終わりよければすべてよし」は、なかったことにする意味ではない
ここで、少しだけ注意したいことがあります。
「終わりよければすべてよし」と言っても、
何をしても最後に謝ればOK、
という意味ではありません。
怒鳴ることが毎日のように続いている。
子どもが親の顔色をいつも怖がっている。
人格を否定するような言葉が続いている。
そんな場合は、
「あとで謝れば大丈夫」
で終わらせず、
どうしたら怒鳴る回数そのものを減らせるのか
も考える必要があります。
親自身が休むこと。
誰かに頼ること。
予定を減らすこと。
家族で役割を見直すこと。
子どもへの期待を少し調整すること。
必要なら専門家の力を借りること。
repairは、
同じことを繰り返すための免罪符ではありません。
「次はどうしたら少し違う関わりができるかな」と考えるところまで含めて修復
なのだと思います。
子どもに必要なのは「完璧な親」ではない

子どもにとって安心できる親とは、
一度も怒らない親でしょうか。
一度も間違えない親でしょうか。
いつでも穏やかで、優しくて、正しいことを言える親でしょうか。
そんな親になることを目指していたら、
私たちはきっと、毎日のように自分に失望することになります。
子どもが必要としているのは、
完璧な人間ではありません。
失敗した時に、
ちゃんと戻ってきてくれる人。
怒りすぎたら、
「ごめんね」
と言える人。
すれ違ったら、
もう一度話そうとしてくれる人。
そして、
「怒っても、ケンカしても、この関係はなくならない」
と感じられること。
それも、子どもにとっての安心のひとつです。
今日うまくできなかったとしても
今日、怒鳴ってしまったとしても。
今日、余裕がなかったとしても。
今日、思っていたような育児ができなかったとしても。
そこで、その日の育児が終わるわけではありません。
少し落ち着いたら、戻ればいい。
「さっきはごめんね」
「ママも余裕がなかった」
「あなたのことは大好きだよ」
「もう一回やり直そう」
そう言って、またつながればいい。
育児は、「一度も間違えないこと」ではなく、
何度でも関係に戻ってくること。
終わりよければすべてよし。
というより、
私は育児では、
「終わりは何度でもやり直せる」
くらいでいいのだと思っています。
うまくできない日があっていい。
感情的になる日もある。
反省する日もある。
でも、そのあとに、
つながり直す。
子どもに必要なのは、
一度も離れない親ではなく、
離れてしまった時にも、また戻ってきてくれる親。
今日うまくできなかったなら、
今日、もう一度つながればいい。
それで親子の関係は、またここから続いていきます。
♡♡♡
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